top of page
コラム更新は SNSでお知らせ! (4).png
検索

リモートワークでの成功とは?③ ~可視化しにくい社内コミュニケーションの価値~

こんにちは。コラム担当の保育士みーみです。

会社の紹介として、リモートワークでの色々な社員の働き方を紹介してきました。

前回は社内の課題を【自分事として改善策を考えて行動に移していく】ためのグループワークをはじめた様子をご紹介しました。

今回は、そもそもコミュニケーションはなぜ必要?という部分を深堀してお伝えしていきます。




目次



タイトル


1. コミュニケーションの重要性


この社会において、何気なく人と関わっていくことは人間の元から持ち合わせている欲求によるものだというのを知っていますか。

人は誰かと関わっていくことでしか得られない欲求があるからこそ、他者と関わっていく中で自分の満足感を得たりします。そしてそれは一人ではなしえないことだからこそ、関わっていこうとできるのです。


皆さんは「マズローの欲求5段階説」をご存じですか?

アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱したこの理論は、人間の欲求を階層的に整理し、「生理的欲求」から「自己実現欲求」まで5つの段階に分類しています。

この理論は、働く環境を考える上で非常に参考になります。以下にその5段階を簡単にご紹介します。


  1. マズローの基本的欲求階層図

    生理的欲求: 生命を維持するための基本的な欲求(食事、睡眠など)

  2. 安全の欲求: 身の安全や安定した生活を求める欲求

  3. 所属と愛の欲求: 他者とのつながりや、コミュニティへの帰属を求める欲求

  4. 承認欲求: 他者からの尊敬や自己評価を高めたい欲求

  5. 自己実現欲求: 自分の能力や可能性を最大限に発揮し、目標を達成したい欲求



会社という場は、この「所属と愛の欲求」や「承認欲求」を満たす重要な場所でもあります。

リモートワークが普及する中で、物理的な距離が生まれることでこれらの欲求が満たされにくくなるという課題があります。特に社内コミュニケーションは、所属感や承認感を醸成するための大切な手段です。



〇業務以外の対話は本当に必要?

「仕事の話だけで十分」という意見が出てくることもありますが、実は業務以外の対話も仕事をスムーズに進めるために欠かせない要素です。

それは相手をよく知らないと、余計な不安や誤解が生まれやすくなるためです。知らない部分が多いと、人は「聞く」か「想像する」しか選択肢がありません。その次の選択肢で、相手への印象が大きく変わってしまいます。


  • 聞けた場合:相手を知ることで安心感が得られます。

  • 想像に頼る場合:不信感を生むこともあります。


『相手に聞くのは簡単なこと、当たり前』とはわかっていますが、関係性が薄い人にも聞くことは容易でしょうか。相手のことを何もわからない状態で質問しに行くことに、抵抗感があるという人も多いと思います。

その抵抗感をなくしていくために、まず積極的に同じ会社にいる人を知ろうとすることは大切です。そのために、一見時間の無駄に思える雑談や何気ない会話が、信頼関係を構築する第一歩になるのです。



〇雑談は同僚への手助けに影響する

雑談が相手に対してポジティブな感情を生み出すということも大切ですが、それが同僚への手助けにも影響しているというのがラトガース大学のMethot教授らの調査によってわかっています。


雑談(small talk)が雑談をする本人の一日の終わりに感じる幸福感(end-of-day well-being)や同僚への手助け(組織市民行動、OCB: organizational citizenship behavior7)にどのような影響を与えるのかが検証された。


こちらの論文の結果から見ても、会社での雑談というのは個人の気持ちだけではなく同僚への気配りにも繋がっていくということがわかります。

雑談からの相手の背景を知ることによって、手助けをしてあげたいという気持ちを自然と持てるという部分はなかなか言葉で表すのも難しいので、感覚の話になってしまいがちですよね。

このことから見ると【喫煙ルームの雑談は有益】と昔から言われているのは、ふと一息抜いてリラックスできる空間としても、重要な役割を担っていたのでしょう。



〇弊社の取り組み

リモート環境での対話不足を補うため、以下のような取り組みを行っています。


  • 定期的なディスカッション:ミーティングで15分間の自由な対話を実施

  • 交流イベント:2ヶ月に1回の社内交流会を開催

  • 季節行事:忘年会や新入社員歓迎会でのリラックスした場作り


これらを通じて、社員同士が自然とコミュニケーションを取りやすい環境を目指しています。




2. リモートワークの課題と可能性


リモートワークは効率的と感じる人が多い一方で、以下のような課題も指摘されています。


  • コミュニケーション不足

  • 対面の雰囲気を重視する文化

  • 紙ベースでの業務が残ること

  • 新しい方法への抵抗感


〇リモートでの対話を促進する方法


オンラインでは直接の対話が減りがちですが、意識的に対話のきっかけを作ることで課題を解決できます。

たとえば、オンライン会議の合間に軽い雑談を入れるなど、ちょっとした工夫が効果的です。


リモートワークの作業では、もちろん会議室への移動時間などありません。

本来人間がその隙間時間に自然と頭の中を整理したりするのですが、その時間も取れずに『次の作業に取り掛からなくては』という状況に陥りがちです。自分の中の理解をかみ砕いたり整理するためにも、会議や作業の区切りが良いところで前後の時間をあえてあけて同僚にアウトプットする時間を作るというのは大切なのかもしれません。


出所:リモートワーク時代を乗り切る思いやりオンラインコミュニケーション(P34より) ディーセントワーク・ラボ編 ; 中尾文香, 片山優美子, 岩田直樹著 風間書房, 2021.3

しかし、この時間だけでは十分にアウトプットする習慣としては難しいため、社内としての取り組みを考えています。

その方法の一つとして、アウトプットの機会を増やすためにもグループワークを試してみるなど新しいことにチャレンジしています。



3. アウトプット力を高めるための取り組み


〇なぜアウトプットが苦手なのか?

日本では自己表現を重視した教育が少なく、アウトプットが苦手だと感じる人が多いようです。

劇作家・平田オリザ氏が提唱する「演劇教育」は、自分の考えを言葉にする練習として有効です。しかし、企業で演劇教育を取り入れるのは現実的ではありません。 苦手とはいえ会社に所属している以上、アウトプットに慣れていく必要があります。先にお伝えした弊社での取り組みにもあるように【定期的なディスカッション】の場を設けるだけではなく、新人研修からアウトプットを意識できるような内容にしています。



発表する様子

〇新人研修からアウトプットに慣れる

弊社では、新人研修の段階からアウトプットに慣れるための取り組みを

加えた研修内容を用意しています。


  • 基礎学習期間(2ヶ月):

    • 動画教材でプログラミングを学び、日報で学んだ内容をアウトプット

    • 発表会で課題の成果を共有し、フィードバックを受ける


  • 応用課題期間(2週間):

    • 自分のアイデアでアプリを開発

    • メンターが個別にサポートし、技術的なアドバイスを実施


これにより、考えを整理し、適切に伝える力が育まれると考えています。

リモートワーク下ではそれ独特の配慮が必要になる時もあると思います。今後の研修では技術面の基礎学習だけではなく、リモートワーク下での円滑なコミュニケーションの方法を学ぶことも必要ではないか、と議論している最中です。




4. まとめ


コミュニケーションとアウトプットは、個人の成長だけでなく、チーム全体のパフォーマンスにも影響を与えます。

  • コミュニケーション: 雑談や対話の中でお互いを知る

  • リモートワークの工夫: オンラインでの交流を意識的に増やす

  • アウトプット練習: 自分の考えを形にして伝えるスキルを磨く


これらを意識することで、働きやすい職場環境が整い、チームの力を最大限に引き出すことができます。皆さんの職場でもぜひ取り入れてみてください!



株式会社デュナミス公式sns(xinstagramfacebook)にて更新のお知らせしていますのでフォローしてチェックしてみてください。






 
 ≪筆者紹介≫   みーみ(保育士)







≪筆者紹介≫

 みーみ(保育士)

bottom of page