ー 目次 -
1.産後ケア事業とは
2.自治体の取り組みの違い、実施状況の格差とは?
3.助成制度の利用方法
4.まとめ
1.産後ケア事業とは
産後ケア事業とは、助産師による自宅訪問で相談したり実施施設で一息つきながら授乳や育児の相談等ができるサービス/出産後の母親の心身の回復を支援するサービスです。
施設には宿泊型・通い施設・自宅訪問を行うタイプがあります。
※各自治体により自己負担額や産後ケア事業の内容は異なりますのでお住いの地域のホームページをご確認ください。
2. 自治体の取り組みの違い、実施状況の格差とは?
〇助成を利用して実際にかかる金額は?
自治体によっては、助成金を利用して産後ケアを受けることができます。
自分の食事を用意するだけでも大変な時期に、母親の栄養面のサポートが受けられたり短時間でも休息が取れるのは心強いですね。
<費用金額の目安>
種類 | 時間 | 料金 |
宿泊型(ショートステイ) | 1泊2日 | 3,000-10,000円 |
通所(デイサービス) | 3-6時間 | 1,000-6,000円 |
自宅訪問 | 1,000-3,000円 |
※住民税非課税世帯又は生活保護世帯の場合無料、もしくは自己負担の可能性あり
※利用上限回数 (日)があります。利用上限回数を超えないようご注意ください。
〇全国的な展開と地域間の差
産後ケアを実施する病院や助産院には地域による偏りがあるため厚生労働省は広域連携を進めようとしています。地域に関わらず利用可能な仕組みを整えることも、子育てへの不安や少子化対策の一環になると考られているようです。
<地方自治体の産後ケア事業例>
仙台市内に住所を有する産後12か月(1年)未満(宿泊型は産後4カ月未満)の産婦とその乳児で、家族等から十分な家事及び育児の援助が受けられず、かつ産後に疲労または育児不安がある。 ※お子さんが早産で生まれた場合の利用可能期間については、ご相談ください。 ※宿泊型とデイサービス型は、施設によって、乳児の受入月齢が異なります。 ※お母さんと赤ちゃん1組あたりの金額です。ふたご・みつごなどの多胎の場合も金額は変わりません。
令和5年4月から、一部の利用料金を変更し、ご利用しやすくなりました。 区民で、産後6か月未満の産婦と赤ちゃんで、産後ケアを必要とする方 例えば、令和5年4月1日生まれの赤ちゃんと産婦は、令和5年9月30日まで利用できます。 多胎児の場合は、2人目以降の子1人あたり宿泊型・日帰り型(個別)日額2,000円、日帰り型(少人数)1,000円加算(非課税世帯は課税世帯の半額) 利用料金(利用者負担金)の支払いに、杉並子育て応援券(ゆりかご券含む)が利用できます(利用できない施設もありますので予約時にご確認ください)。
産後ケア事業を利用しやすい環境を整備するため、ショートステイ、デイケアに加えて、アウトリーチの対象月齢が出産後0か月から1年未満へ拡大、また、利用料金を減額しています。 次の要件を満たす方が対象。 ・大阪市に住所を有すること ・出産後1年未満の母親と乳児 ・母親の心身の不調又は育児不安等がある者 ※その他各区保健福祉センター所長が本事業の利用を適当と判断した者 次のいずれかに該当する場合を除きます。 ・母子のいずれかが感染症疾患に罹患している者 ・母親に入院加療の必要がある者 ・母親に心身の不調や疾患があり、医療的介入の必要がある者
令和5年4月から、利用者負担額を軽減しました。 宿泊型(ショートステイ) : 1日 6,000円 を 1日 3,000円 に軽減 日帰り型(デイケア) : 1日 4,000円 を 1日 2,000円 に軽減 訪問型(アウトリーチ) : 1日 2,000円 を 1日 500円 に軽減 ※生活保護世帯及び市民税非課税世帯、特例世帯については自己負担額が免除 ※多胎児(2人目以降)については、1人につき上記の半額を加算する
3. 助成制度の利用方法
出産後にすぐ利用したいなどの場合は、妊娠28週以降に事前の申請が可能です。
出産後から予約する場合は、<利用希望日の1週間前まで>など申し込み期間が決まっている自治体もあるため、ホームページなどをよく確認して、余裕をもって申し込みをしておきましょう。
<例>
(1)利用申請オンライン・郵送・窓口のいずれかの方法で申請書類を提出してください。 (2)利用承認をされた方に利用承認通知書を交付(自宅へ郵送)します。 (3)仮予約希望する施設に直接連絡し、仮予約をとってください。 (4)本予約出産後または利用日の1週間前に、仮予約した施設に連絡し、本予約をしてください。 (5)利用当日は利用承認通知書、母子健康手帳、その他施設が指定するものを持参してください。 ご利用後、施設に利用料金(利用者負担金)をお支払いください。 ※利用申請の受付:妊娠8カ月(28週)以降、利用予定日の2週間前まで 利用できる期間:出産日から6カ月に達する日の前日まで(利用承認期間) (注)産後申請の方は承認日から産後6カ月に達する日の前日まで
〇産後ケアを知るきっかけは?
私は2022年に出産を経験しましたが、母子手帳をもらってから出産後まで『産後ケアについての案内』を聞いたことがありませんでした。ハローベビー訪問(生後1か月頃の保健士による自宅訪問)で、名前だけ聞いた程度で詳細についての案内はされませんでした。
今回、子育てに関わる助成金などを調べるうちに『産後ケア事業』というサービスがあり、それは自分のイメージしていた『産後ケアホテル』とは大きくかけ離れていることを知りました。
『産後ケア』という言葉だけを聞いても、どんなサービスを受けられるのかを知らないと、きっかけには繋がりにくくなってしまいます。
まだ本格的に始まって間もないサービスなので、全ての妊婦さんにしっかり伝わっていってほしいと願っています。
私の場合も産後ケアを案内されても良い例なのではないか?と思いますが、産後はこどもとの生活を回すことに精一杯で『今の状態が正常なのか』すら判断しにくくなっている状態でした。
私は産後の体調を聞かれても頭が回らない状態で、自分に言い聞かせるためにも「大丈夫です。」と答えてしまっていたように思います。
なので<自分自身に少しでも困った>と思う状況がある場合はお住まいの自治体に電話してみてください。自治体でこどもとの過ごしやすい産後の環境を提供をしている場合や、少しでも親御さんの負担が軽くなる方法が見つかるかもしれません。
『みんなこれくらいのこと平然とやってのけているのでは…』と抱え込まず、まずは誰かに相談してみましょう。
サービスの提供を検討したもっとも多い 理由も、自治体種別によらず「身近に支援者がいない」であり、2番目に多い理由が「不安が強い」であり、妊娠中と同じであった。3番目に多い理由 からほぼ同数の理由が挙げられ、「育児負担が大きい」、「育児手技が不安」、 「母乳育児に不安あり」が多く挙げられた
4.まとめ
私は、今回の【出産前準備】知ってる?ママのための『産後ケア完全ガイド』を作成するために産後ケアについて調べるまで、助成金を活用して事業が利用できることは知りませんでした。そして『産後ケア施設は利用料が高い』と、思い込んでいました。
お母さんが心身共に健康に子育てをするためにも、産後の身体に無理は禁物です。是非この産後ケアというシステムをたくさんの人に知ってもらい、親御さんたちが気軽に利用できるような事業になればと願っています。
念のため出産前に利用登録をして、出産後の選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか?
次回は、社内のパパママに聞いた!入園・入学準備に役立ったものを更新予定です。
≪筆者紹介≫
みーみ(保育士)
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